クローズEXPLODE

不良漫画、実写映画の第三弾

不良が主役を勤めている漫画といえば何を連想するでしょうか。アウトローな世界に憧れて実際に飛び込むようになった、という例すらリアルに存在するくらい影響力を持つそれらの作品に、感化されたという人はとても多いほうだ。筆者個人は不良というか、未成年時代は堅実とまではいかなくても、そこまで過度な危ない世界を垣間見たいと思わなかったため、そういう社会には縁のない平和な暮らしをしていた。それに越したことはないんでしょうけど、中には引きずり込まれてしまう人がいそうですね。下地はともあれ、なにかしらの理由を持って表ではなく裏社会に足を一歩踏みいれてしまう人は現代でもいる。

そんな不良という世界を断片的ではあるものの、リアルに見れる作品が漫画だ。ただ二次元のフィクション作品が多数を占める中では、より忠実な現実がそこにあるとはいえない表現も多々見られます。中には時折ファンタジーチックすぎる展開、それこそいつぞやの時代かと言えるような出来事が繰り広げられているものの、あこがれは募るばかりと感じる人も多いようだ。暴れる、というよりは社会の常識に囚われず、自分の価値観を最優先にして行動できるところに不良を志す、あるいは生き様に惚れるといった人もいるかもしれません。

自分にはないものを求めようとする、そんな世界観からたちまち虜になってしまったという人を多く見かけることがある、不良漫画の代名詞とは何か。その中でも代表的かつ、不良漫画の王道を行くとまで称されている『クローズ』という作品について話をしていきたい。既に完結していますが、現在でもその名高さからファンを増やし続けているとまで言われるほどだ。

中でもその人気を不動のものにしたのが映像作品による影響も一重にあり、名実共に代表格といえるくらい存在感の確立に貢献したのが『クローズZEROシリーズ』ではないでしょうか。実写映画として完成度の高さはもちろん、原作ファンがおもわず見惚れてしまうほどの作品になった実写映画も第三弾が2014年に制作されました。タイトルは『クローズEXPLODE』、まさに爆発するかのような新作の登場だった。

作品概要

公開日が2014年4月12日となっている、丁度世間では入学式や入社式が連続する時期となっていますが、同時にアウトロー関係の方面でも何かと人員が移り変わるときなのかもしれません。そんな時に不良漫画の、それも大々的にありえないような展開で繰り広げられる。

さて、前置きはともかくとして最初に今作がどのような物語なのか簡単にあらすじから説明していこう。

あらすじ

不良高校として名高い鈴蘭高校、そこに新たな激動が巻き起ころうとしていた。それまでの猛者たちが学校を去り、新世代で構築される鈴蘭では新たな勢力が多数出現し、頂点を掴もうと様々な抗争が繰り広げられていた。空席になった頂上を目指している中で、三年と一年に風雲児が舞い降りる。三年の男は『鏑木旋風雄』、一年の男は『加賀美遼平』、似ているようで対極にいるはずの2人だが、互いが互いを認識した際に、共にそれぞれを宿敵たらしめんとすると直感で悟った。

2人の強敵が出現したことで、校内で派閥争いを繰り広げていた様々な勢力を巻き込み、やがて鈴蘭にはかつてないほどの闘争の渦が始まろうとする。その頃、かつてドロップアウトした藤原一が、自身の復讐も兼ねて他校との決闘に持ち込もうとしていた。やがて藤原は鏑木の天敵である加賀美と結託したことによってお膳立てはすべて済んでしまった。

鏑木を始めとした鈴蘭側、加賀美と藤原が率いる黒咲側と、これまでになかった最大級の闘争が始まろうとしていた。

暴力に次ぐ暴力

クローズ、というよりも不良漫画で見どころといえば、素手によるタイマンが一番の見どころとなっています。今作でもそんな暴力の応酬が最初から最後まで展開していきますが、前作と違って今作での暴力には勢力争いをするためのものと、ただただ私怨によってすべての物を潰そうとするという2つに分かれている。前者は以前の話から続いている派閥争いによるものですが、後者の方が断然不味い意味で繰り広げられる。

今作で一番の悪役として描かれている人間によって、鈴蘭の生徒が一方的に襲撃されるという展開が待っているからだ。作品を見た人なら分かると思いますが、所構わずに鈴蘭高校の制服を着ている人間がいたら殴る蹴るはもちろん、食事をしていた器に頭を押し込むなどの非道な行為が連続する。例え相手が降伏を申し入れても容赦のない、豹の牙が獲物たる鹿を躊躇なく手に掛けるように、蹂躙していく。

騒ぎは街だけでなく、学校同士の闘争にまで発展しようとしていた。その争いに託つけて持ち上げられたのが、今作の主人公とその天敵だ。やはりというか何というか、この作品はラストでも学校同士の抗争という大規模な喧嘩になっていく。

主人公の共通点

そんな過激な描写が連続するクローズですが、原作と実写映画、そのどちらにも共通している点が一つあります。それは『主人公が必ず転校してくる』という点だ。原作の主人公である『坊屋 春道』にしても、ZEROの主人公『滝谷 源治』にしても、そしてEXPLODEの『鏑木旋風雄』にしてもだ、そして桁外れに喧嘩が強いというところもです。また過去に何かしら背景があるからこそ、戦う理由を持っているとされていますが、そういう意味では滝谷の場合は自身の父親が運営する組を受け継ぐためとなっているので、一番そういう意味では危ない存在だ。

全員何かしらの背景はあるものの、ただ1人原作の坊屋は同期生が全員卒業する中で、1人留年するという残念すぎる結果が待っている。その後街から姿を消しているのだが、皆いなくなった中で1人3年生を続ける気力がなかったのかもしれない、などと下らない事を考えてしまいます。

今作においても

クローズEXPLODEはクローズZEROⅡからの続編となっている。時期的にはその1ヶ月後と、相も変わらずの不良高校の日常というよりは過激な日々が待っている。そんな今作でも注目すべくは、作品の中で栄える登場人物たちの魅力にあるといえる。

映画は原作とは違ったオリジナルの展開になっているため、ほとんど新規のファンが入り込める内容となっているのだ。続編とはいえ、最初から見ていなくてもストーリーは単純明快といえるので、今作からクローズとは何か、を知りたい人には優しいライトユーザー向けの作品となっています。もちろん、暴力などの残酷描写に耐性がある人限定ですが。